筋トレ初心者が知っておきたい「プロテインのすべて」

本記事では,主に初心者・中級者の方を対象に,「プロテイン」について紹介します.

筋トレを始めると,

「プロテインを買った方がいいのかな?」

「プロテインにもいろんな種類があるみたいだけど,どれが良いのかな?」

「WPIやWPHの方が良いのだろうか?」

といった,プロテインに関する疑問がわくと思います.

本記事では,プロテインについて,「初心者・中級者が知っておきたいこと」をすべて紹介します.

  • プロテインとは何なのか?
  • プロテインを摂取する目的は?
  • プロテインの種類
  • プロテインの正しい使い方

について紹介します.

プロテインとは何?

最初に「プロテインとは何なのか?」について説明します.

筋トレに興味を持つと,「プロテインを飲むほうが良いのか?」という疑問を持ちます.

そして,プロテインを飲めば「自分もムキムキになれるのでは?」という期待を持ちます.

確かに筋肉をつけるのにプロテインは非常に重要であり,プロテインを飲まないボディービルダーはいません.

ですが,注意してください.

プロテインは「筋肉をつける魔法の粉」ではありません

重要なので,もう一度言います.

プロテインは「魔法の粉」ではありません.

じゃあ,何なのか?

一言で言うと,

プロテインはただの「濃縮・粉ミルク」です

プロテインは食品の延長にあります.

筋肉をつけるには,タンパク質の摂取が重要です.

タンパク質が豊富な食品としては,肉,魚,大豆,卵,豆腐,牛乳などが挙げられます.

1度の摂取で十分なタンパク質の量は20gです.

これを牛乳でとろうと思うと,牛乳100mlあたりタンパク質が3.3gなので,600ml飲む必要があります.

これだけ一気には飲めないので,プロテインという「濃縮・粉ミルク」が開発されたのです.

牛乳から,脂質などのタンパク質以外の成分を除去して,粉状にしたのが「プロテイン」です.

いうならば,牛乳から「低脂肪乳」やら「赤ちゃんの粉ミルクやらの加工乳」が作られますが,「プロテイン」もそのひとつというわけです.

後輩から

「プロテイン飲んだら,俺も筋肉つきますか?」って聞かれたときは,

「あれは”筋肉がつく魔法の粉”じゃねえよ.ただの”濃縮・粉ミルク”やで.でも,トレーニングをしつつ,正しい飲み方をしていれば筋肉はつくよ」

って答えてあげてください.

じゃあ,筋肉がつく魔法の粉はないのか気になりますが,2つあります.ひとつはアナボリックステロイド.筋細胞の細胞核の取り込みを異常促進して,筋肉を肥大させますが,副作用が強く,普通の人が使うことはありません.もうひとつはIGF-Iウイルスベクター注射.IGF-Iは筋トレをしたときに出る物質です.IFG-Iを生み出すウイルスを筋肉に感染させることで,筋トレをしなくても,筋トレをした効果を生み出し,筋肉を発達させます.これは筋肉系の病気や高齢者の筋力低下に対する治療として研究段階にあるもので,普通の筋トレする人が使うものではありません.結局,筋肉をつけるための ”使える魔法の粉” は現状ではないので,頑張ってトレーニングと栄養管理・サプリメント摂取をするしかありません.

プロテインを摂取する目的とは?

なぜプロテインを摂取するのか

次に,「なぜプロテインを摂取するのか」,その目的について説明します.

先ほど,筋肉をつけるのにタンパク質が重要だと説明しました.

筋肉をつけるためにタンパク質が必要な理由が実は2つあります

1つ目の理由は,タンパク質が筋肉の材料になるからです

筋肉はアクチン,ミオシンと呼ばれるタンパク質でできています.

そのため,筋肉を作るためにタンパク質を摂取する必要があります.

筋肉を大きくするのに十分なタンパク質の量は,1日あたり,

  • 筋トレ初心者の場合:体重×1.5 g(体重60kgで90g)
  • 筋トレ中級者の場合:体重×2.0 g(体重60kgで120g)

が必要です.

ただし,一度に身体が消化して処理できるタンパク質は約20~25gといわれており,1食で90gのタンパク質をとっても意味がありません.

そうすると初心者の場合,3食で70gのタンパク質を摂取し,プラスどこかで20gのタンパク質をプロテインから摂取する必要があります

ただし,摂取したタンパク質がそのまま筋肉になるのではありません.
一度,摂取したタンパク質はアミノ酸まで分解されます.そして,アミノ酸の形で血液中にとけこみます.その状態でトレーニングをして,筋肉を構成する筋細胞のタンパク質合成スイッチがONになると,筋細胞内に血液中のアミノ酸が取り込まれ,タンパク質に再合成されます.

プロテインを摂取する2つ目の理由は,タンパク質が「筋肉を作るスイッチ」をONにする条件だからです

「筋肉を作るスイッチ」(タンパク質合成スイッチ)をONにするには,タンパク質が分解されたロイシンというアミノ酸から作られるHMBの血液中濃度が高い状態が必要となります.

「筋トレ後すみやかにプロテインを飲むほうが良い」といわれるのは,実は筋トレをしてすぐに「筋肉を作るスイッチ」をONにするためです.

さらなる詳細については,こちらの記事をご覧ください.

初心者・中級者が劇的に筋肉をつけるコツ③:収縮タンパク質の量を増やす方法

プロテインって太るの?

よく「筋トレをせずにプロテインを摂取すると太る」とか言いますが,どうなんでしょうか?

このあたりをきちんと説明します.

結論から言うと,トレーニングしていない人が普段の食事に加えてプロテインを飲むと太ります.

一方で筋トレをしているのであれば,トレーニングをしていない日にプロテインを飲んでも太りません.

というか,トレーニングをしていない日にもプロテインを飲む必要があります

筋肉の合成はトレーニングの翌日,翌々日以降も進んでいるため,トレーニング日以外にもきちんとタンパク質を補給してあげる必要があります.

一方で,トレーニングをしていない人の場合を考えます.

プロテイン1杯あたりおよそ100kcalのエネルギーがあります.

これはキットカット1.5枚分くらいです.

つまり,まったくトレーニングしていない人がプロテインを飲むのは,キットカット1.5枚をいつも余分に食べるようなものです.

普段どおりの生活をしながら,余分に食べると当然太ります.

ただし,食事の炭水化物の量を減らして,その分プロテインを飲むのであれば,トレーニングをしていなくても太りません.

プロテインの種類

ここまで,プロテインが何で,プロテインを飲む目的を説明しました.

次にプロテインの種類について説明します.

プロテインは大きく3つの種類に分けられます.

ホエイプロテイン

ホエイプロテインは最もオーソドックスなプロテインです.

通常売っているものはこのホエイプロテインになります.

ホエイプロテインは牛乳から作られます.

目的で説明した「タンパク質合成スイッチ」をONにするための「ロイシン」というアミノ酸の量が3種類のプロテインのなかで一番多いです.

また吸収が早いという特徴もあります.

初心者・中級者の方がプロテインを選ぶのであれば,このホエイプロテインがおすすめです

またホエイプロテインのなかでも3つの種類に細かく分類されます.

この点については,記事後半で説明します.

カゼインプロテイン

カゼインプロテインも牛乳から作られるプロテインです.

上級者向けのプロテインになります.

カゼインプロテインの特徴は,とてもドロッとしており吸収が遅いことです.

そのため睡眠中など,こまめにプロテインを飲めないタイミングで使用されます.

筋トレ上級者になってかなり筋肉量が多くなると,身体はこんなにたくさん筋肉は必要ないと判断して,筋肉を分解する代謝が強くなります.

すると睡眠中に筋肉の分解が進んでしまいます.

それを防ぐために,筋トレ上級者は消化の遅いカゼインプロテインを睡眠前に摂取します.

ソイプロテイン

ソイプロテインは,牛乳ではなく大豆由来のプロテインです.

特徴としては,大豆のほうが安いので,3種類のなかで一番安いです.

ただ,ホエイプロテインよりもロイシンの量が少ない点や,「身体に対する吸収が悪いと言われている」点が欠点です.

「吸収が悪いと言われている」と歯切れが悪い書き方をしているのは,実際に人の腸と同じ状態を研究室に再現して,その吸収具合をきちんと測定することは難しく,きちんと証明されているわけではないからです.

ですが,ボディービルダーでソイプロテインを使っている人はほぼおらず,経験的にホエイの方が優れていると知られています.

じゃあ,なんでソイプロテインなんてものがあるのか?って疑問がわきますが,

ソイプロテインは「女性のためのプロテイン」です.

女性がプロテインを買うのに,となりでアメフト部の巨漢が買っていったものと同じものを買うのは抵抗がありすぎます.

そこで女性でも手に取りやすいプロテインをということで,現在はソイプロテインがあります.※ベジタリアン向けなどの細々した別の理由もあります.

また大豆に含まれるイソフラボンは女性ホルモンと似た物質で,女性の身体の調子を整えてくれます.

ソイプロテインは「筋トレを始めた女性のための入門プロテイン」といえます

ホエイプロテインの種類

次に一般的プロテインである,ホエイプロテインの細かな分類について紹介します.

ホエイプロテインには次の3つの種類があります.

WPC

WPC(ホエイプロテイン・コンセントレート)は最もメジャーで一般的なホエイプロテインです.

通常ホエイプロテインと言ったときには,このWPCのことです.

3種類のなかで一番価格が安いですが,一番牛乳からの精製具合が進んでいないものなので,3種類のなかではタンパク質の含有率が低いものになります.

また精製が進んでいないので乳糖と呼ばれる成分も含まれています.

乳糖は牛乳を飲みすぎたときにお腹がゴロゴロして下痢になる原因の物質です.

日本人はこの乳糖を分解する酵素が少なく,牛乳で下痢になる人が多いです.

WPCは一番オーソドックスなホエイプロテインであり,価格も安いです.

そのため,

普通の人には,このWPCのホエイプロテインを使用することをお勧めします

ただし,プロテインを飲んでいて下痢気味になっているという人は,きちんと消化できておらず,プロテインを飲んでいる意味が薄れてしまうので,次に勧めるWPIを選んでください.

WPI

WPI(ホエイプロテイン・アイソレート)はWPCをさらに精製したホエイプロテインです.

さらに精製しているため,タンパク質の含有率が高く,また乳糖も除去されています

WPCよりはお値段が高くなるのですが,WPCを飲んで下痢気味になってきちんと消化できていない場合は意味がないので,

WPCで下痢気味になっている人はWPIのホエイプロテインを飲むことをお勧めします

WPH

WPH(ホエイプロテイン・ハイドロライズド)は「上級者が筋トレ後に飲むためのホエイプロテイン」です.

WPHはタンパク質を分解して,アミノ酸が2つくっついたペプチドという状態にしています.

人の腸はタンパク質をそのまま吸収できず,アミノ酸まで分解するのですが,実はペプチドの状態でも吸収することができます.

ペプチドはアミノ酸が2つくっついているので,アミノ酸サプリメントであるBCAAを飲むよりも2倍早く吸収することができます.

そのため,筋トレ後の「タンパク質合成スイッチ」をすみやかにONにするために,上級者はWPHを飲みます.

ただ,お値段もめちゃ高いですし,初心者・中級者はWPC・WPIやBCAAで十分です

(お金を使うなら,別のサプリメントのほうが優先順位が高い)

プロテインの正しい使い方

最後に「プロテインの正しい使い方」について説明します.

目的の1つ目で説明したように,筋肉合成の材料にするために,

一日のタンパク質摂取量が体重×1.5gとなるように,食事とプロテインを摂取してください.

これはトレーニングをしない日もです

大体の場合,普段の食事に加えて

プロテイン1杯を朝食後か,夕食後か,寝る前にとれば良いです

これに加えて,目的その2の「タンパク質合成スイッチ」をONにするためにも,

トレーニングをした日は,トレーニング後にもすみやかにプロテインを飲んでください

初心者で間違っている人は,トレーニングしない日にプロテインを飲まなかったりしますが,これでは筋肉はつきません

筋肉の合成はトレーニング日を起点に,翌日も翌々日以降も進んでいます.

プロテインは値段が高いので,ケチりたくなる気持ちも分かるのですが,

せっかく頑張ったトレーニングの効果を最大にし,効果的に筋肉をつけるためにも,毎日プロテインを飲んでください

その他にプロテインの使い方で間違えやすいことをまとめていますのでご覧ください.

8割の初心者が間違えている「プロテインの使い方・選び方」

そのためには,それなりにお値段が安くて飲みやすいプロテインを選ぶことが重要です.

例えば,SAVAS(ザバス)のプロテインはどこでも売っていて買いやすいですが,値段が高いです.

以下の記事で初心者におすすめのプロテインを紹介していますので,参考にしてみてください.

初心者におすすめのプロテインを紹介

以上,初心者・中級者が知っておきたい「プロテインのすべて」を紹介しました.

ご一読いただき,ありがとうございます.

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