本記事では,筋トレに励む人が知っておきた脂質・油に関する知識を説明します.
- 脂質の重要性と1日の摂取量
- 摂取したい油の種類
- 具体的な食生活のアドバイス
について,解説します.
脂質の重要性と1日の摂取量
脂質と聞くと,「あまり摂らない方が脂肪にならず良いのかな?」と思うのですが,身体にとって必要な成分であり,重要な栄養です.
脂質は「細胞の膜の成分」,「肌や髪の成分」,「脳や神経の伝達物質」,「ホルモン」等の材料となる重要な成分です.
筋トレに重要な男性ホルモンである「テストステロン」も脂質から作られます.
健康に生活するためには,脂質を1日におよそ「体重×0.9g」程度をとる必要があります.
体重60kgであれば,54g程度です.
脂質の場合,1gで9kcalなので,これで480kcal程度になります.
摂取したい油の種類
脂質を摂取することが重要だからといって,どんな油でも食べて良いわけではありません.
身体に良い油と悪い油があります
飽和脂肪酸
クリーム・バターなどの乳製品,お肉の脂,ベーコン,ソーセージなどに含まれる「動物性の脂」です.
常温では固体であることが多く,酸化しにくいという特徴があります.
摂り過ぎると悪玉コレステロールが増え,動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病に繋がります.
またココナッツオイルも飽和脂肪酸に分類されますが,ココナッツオイルはさらに中鎖脂肪酸というものに分類され,体内での消化吸収・代謝が速く、体に脂肪が付きにくい種類です.
一日分の油の30%をこの不飽和脂肪酸から摂るのが良いです.
トランス脂肪酸
不飽和脂肪酸は4つに分類されます.
そのうち避けたい油が「トランス脂肪酸」です.
マーガリンに多く含まれるので,それらを原材料に使った「お菓子」,「パン」,「ケーキ」などに多く含まれています.
その他に「サラダ油」や「キャノーラ油」を作る際には,臭いを取り除くために高温で処理を行うため,トランス脂肪酸が含まれています.
体に不要な脂肪酸であり、摂り過ぎると悪玉コレステロールを増加させ、生活習慣病のリスクを高めます.
オメガ9脂肪酸
オメガ9脂肪酸は酸化しにくい特徴を持っているため,加熱調理に向いている油です.
オレイン酸が代表で,「オリーブオイル」,「キャノーラ油(なたね油)」などに含まれます.また米油もオメガ9脂肪酸が豊富です.
悪玉コレステロールを減らすと言われ、動脈硬化の予防に役立ちます.
一日分の油の40%をこのオメガ9脂肪酸から摂るのが良いです.
オメガ3脂肪酸
「DHA」や「EPA」,「α‐リノレン酸」などの油で,魚や,えごま油に含まれています.
中性脂肪やコレステロール値を抑制し,血管をしなやかにして血流を改善,冠動脈疾患の予防などの効果が認められています.
また,血行が改善される事で体温を上げ代謝をアップさせることが出来ます.
一番健康に重要で大切な油ですが,魚を食べない生活だと不足しやすい脂肪酸です
1日1~2g程度の摂取が推奨されています.
オメガ6脂肪酸
「リノール酸」のことで,ゴマ油,米油,大豆油などに含まれています.
オメガ3とオメガ6で一日分の油の30%をこのオメガ9脂肪酸から摂るのが良いです.
1日の油を摂取できる食事戦略
まずは,摂取しにくい「オメガ3脂肪酸」を意図的にとる必要があります.
毎日食卓に魚料理を用意するか,えごま油を生で食べるか,「DHA・EPA」のサプリメントを摂ります.
参考記事:フィッシュオイルの効果とお勧め製品(工事中)
つぎに,お肉を炒めたりするときに使う加熱用油に注意します.
サラダ油やキャノーラ油は安いですが,トランス脂肪酸が含まれていたり,油のバランスがよくないので,加熱してもトランス脂肪酸が生まれにくい「オリーブオイル」や「米油」を使用します.
また,筋トレをしていると納豆や豆腐などを食べる機会が多いと思います.
これらの大豆製品は1食分で5~6g分ほどの脂質が含まれています.
大豆の油の多くは「オメガ9脂肪酸」です.
納豆や豆腐を食べるのはとても良いことですが,一日分の脂質にカウントするのを忘れないようにしてください.
また,間食に注意します.
ポテトチップスなどのお菓子にはトランス脂肪酸がたくさん含まれています.
そして,脂質自体も多くて,例えばポテトチップス(うすしお,60g)で脂質が21.6gも含まれています.
毎日間食を食べていてはどうしようもありません.
そして,外食にも注意してください.
外食のお肉は脂身が多いうえ,加熱時に安いサラダ油などを使っていることが多いです.
脂質たっぷりなうえに,トランス脂肪酸たっぷりな場合があります.
質の悪い外食の食べすぎには注意です
以上,身体に良い脂質・油について解説でした.
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