本記事では,筋トレをしているとわいてくる疑問
「なぜ鍛えた筋肉しか太くならないのか?」について解説します.
たしかに,プロテインを飲んだりしてタンパク質を補給した作用は,全身におよびそうです.
ですが「脚」を鍛えた場合,鍛えていない「腕」は太くならず,「脚」にしか筋肉はつきません.
なぜでしょうか?
まず「筋肉が大きくなる = 筋細胞の収縮タンパク質の量が増える」ということです.
そして,筋細胞の収縮タンパク質を増やすには,細胞核のタンパク質合成スイッチ(アミノ酸合成スイッチ)をONにする必要があります.
「細胞核のタンパク質合成スイッチをONにする」 = 「mTOR回路をONにする」
ということであり,
mTOR回路をONにするには4つの要素があります
①エネルギーの補充
②HMB
③インスリンや成長ホルモン
④トレーニングによるカルシウム濃度上昇
です.
より詳細な説明はこちらをご覧ください
①エネルギーの補充は,使っていない筋肉には必要ないので,今回の話は関係ありません.
②プロテインのタンパク質は分解されてロイシンというアミノ酸になり,ロイシンは代謝されてHMBへと変換され,HMBがmTOR回路を1要素となります.しかし,この作用は全身で行なわれます.
③インスリンや成長ホルモンによる作用も1つの要素です.基本的にインスリンや成長ホルモンは全身に対する作用ですが,筋トレ時には,収縮した筋肉から「インスリン様成長因子-I(IGF-I)」と呼ばれるインスリンに似た物質が放出されます.
IGF-Iもまた,インスリンと同様にmTOR回路をONにしてくれます.
IGF-Iはトレーニングした筋肉からのみ放出されるので,これが筋トレしている箇所だけ筋肉が太くなる理由のひとつです
④4つ目のmTOR回路をONにする要素は,「筋肉内のカルシウム濃度の上昇」です.とくにこの要素がmTOR回路のON・OFFに大きく影響します.
脳から伸びた神経細胞が筋細胞に対してカルシウムを放出することで,筋肉が収縮します.そのため繰り返し筋肉を収縮させていると,その筋肉内のカルシウムの濃度が上がってきます.
このカルシウム濃度の上昇がmTOR回路をONにし,筋細胞のタンパク質合成をONにするので,トレーニングした筋細胞のみでタンパク質合成が行なわれ,筋肉がつきます.
以上のように,トレーニングした筋肉でのみ
「IGF-Iが分泌される」,「カルシウム濃度が上昇する」
という2つの理由があるため,
トレーニングした筋肉のみが鍛えられます.
その他,筋肉がつくメカニズムについての解説はこちらもご覧ください
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