高重量でやるとなぜ筋力がアップするの?

筋トレ本では

8RM(8回挙げるのがやっとの重さ)で8回もしくは、10RMくらいで筋トレをするのが、筋肥大に最も効果的です」

と説明されています。

そして、「それより重い1~4RMの場合は筋力アップ」、そして「15RM~の場合は筋持久力がアップします」と説明が続きます。

本記事ではそのあたりについて、いろいろ詳しく解説します。

高重量で筋力がアップするメカニズム

私が初心者だったころ意味が分からなかったのが、「筋力アップ?」って何?です。

15RM~の筋トレで回数を増やすと、遅筋が使われるため、遅筋の酸素使用効率などが上昇し、筋持久力が上がるのは分かります。

でも「8RMの筋肥大」と「高重量の筋力アップ」って何が違うんだろう?

「筋肉が肥大せずに、筋力がアップするってなぜ?」と昔は思っていました。

この疑問は、「筋肉が収縮するメカニズム」が分かっていないから生まれます。

筋肉が収縮するには、筋肉だけでなく、神経系の働きも重要です。

筋肉が収縮する一連の流れを説明します。

①まずはじめに脳の運動野で、運動神経が発火します

②その神経の発火が筋肉内部の筋小胞体に伝わります

③すると筋小胞体からカルシウムイオンが放出されます

④カルシウムイオンの働きで筋肉のタンパク質であるアクチン・ミオシンが作動し、筋肉が収縮します

以上が筋肉が収縮する流れで、実は神経系の働きが非常に重要です。

そして神経は、筋肉が最大限発揮できる力よりも弱い力しか指令していません

神経リミッターがかかっているのです。

なぜなら、強すぎる力を発揮して、筋肉が切れたり、関節を痛めたりするのを防ぐためです。

そして興奮などでこの神経リミッターが外れることを「火事場の馬鹿力」といいます。

高重量(1~4RM)でトレーニングすることは、神経指令のフル稼働を繰り返すことで、神経リミッターの抑制具合を少し緩めることにつながります。

するとリミッターの抑制が弱くなって、今までと同じ筋肉の太さでも、より大きな力を発揮できるようになるのです。

そのため筋肥大しなくても、筋力アップにつながります。

以上が、高重量で筋力アップするメカニズムです。

そして重要なのが、この高重量トレーニングとの付き合い方です

高重量トレーニングとの付き合い方

筋トレ本には

「高重量のトレーニングはウェイトリフティングなどの競技をしている人には重要ですが、普通の人はやらなくて良いですよ~」

的なニュアンスで書いている本もありますが、それは少し違います。

まず筋トレ初心者は、高重量のトレーニングは関節などを痛めやすいため、高重量トレーニングはやらなくて良いです。

ですが中級者以上であれば、うまく高重量トレーニングを取り入れることで、筋肉をより効率的に大きくすることができます

そこには2つの理由があります。

理由1 筋疲労時のパワーを増やす

1つ目の理由は、神経系の発達が「筋疲労時の筋力発揮をサポートする」からです。

レップ数が増えて筋疲労で力がでなくなるのは、筋肉が収縮するときに発生する水素イオンのせいで、筋小胞体からカルシウムイオンが放出されにくくなるからです。

つまり、筋肉のタンパク質そのものでなく、その前の神経指令系の問題です。

ここで神経系が発達していれば、より大きな指令が神経から筋小胞体に伝わり、筋小胞体からカルシウムイオンが放出されて、筋肉が収縮できます。

つまり高重量トレーニングで神経系が発達すると、7回挙げて疲労困憊だった重さで、8回以上挙げれるようになります

結果、8RMの重さも向上するのでトレーニングのボリュームと質が上がります。

よって、トレーニングの質が上がって、筋肉が肥大する速度が速くなります。

理由2 細胞核を増やす

2つ目の理由は、高重量トレーニングが「筋細胞の細胞核」を増やすからです。

筋肉が肥大し、太くなるには2つのメカニズムがあります。

「筋肉の太さ」=「筋細胞内の細胞核の数」×「1細胞核あたりのタンパク質(アクチン・ミオシン)の量」

で決まります。

初心者・中級者が劇的に筋肉をつけるコツ①:筋肥大のメカニズムとゴリラがムキムキな理由

8RMのトレーニングは後者の「1細胞核あたりのタンパク質の量」を増やすのに効果的です。

mTOR回路と筋肥大の関係:初心者・中級者が劇的に筋肉をつけるコツ③

一方で1~4RMの高重量トレーニングは前者の「筋細胞内の細胞核の数」を増やすのに効果的です。なぜなら高重量でやると筋肉に小さな傷が生まれ、その修復時に細胞核が増えるからです。

細胞核を増やす方法:初心者・中級者が劇的に筋肉をつけるコツ②

筋肉を肥大させるには、このように2タイプの「重さを変えたトレーニング」が重要です。

そして、高重量のトレーニングは細胞核を増やし、筋肉を太くしてくれます。

まとめ

以上、高重量トレーニングで筋力がアップするメカニズムと、高重量トレーニングとの付き合い方でした。

筋肉を大きくするには、筋肉の生理学的メカニズムを知ることが重要です。

以下の記事もぜひご覧ください。

初心者・中級者が劇的に筋肉をつけるコツ①:筋肥大のメカニズムとゴリラがムキムキな理由

以上、ご一読いただきありがとうございます。

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