大胸筋を鍛えるトレーニングマシン「チェストプレス」のやり方と注意点、コツを紹介します。
日常生活では胸の筋肉を意識的に動かすことがありません。
そのため胸の筋肉を鍛えるのは、なかなか難しいです。
チェストプレスマシンをやっていても、腕が疲れがちです。
「本当にきちんとできているのだろうか?」
と不安になります。
本記事では正しいやり方と注意点を紹介し、コツを紹介します。
筋トレで重要なのは、どの筋肉を鍛えているのかをきちんと意識して、その筋肉だけを収縮させることです。
はじめにチェストプレスマシンで鍛えられる筋肉の様子を見ていきます。
大胸筋の解剖図
「チェストプレス・マシーン」による大胸筋の動きを動画でチェックします。
赤色の筋肉(大胸筋)がメインの筋肉です。
一方で紫色の筋肉はサブで使われる筋肉です。
[引用:MUSCLE & MOTION(無料登録で様々な動画が見れます)]
大胸筋は、肋骨の付け根から(起始)、腕の肩の少し下(停止)をつないでいる筋肉です。
[一部改変 引用:MUSCLE & MOTION(無料登録で様々な動画が見れます)]
チェストプレスをやる際には
「この2箇所(起始・停止)を、胸の筋肉を縮めることで近づけてあげる」
という意識で行い、その結果ウェイトが上がるというイメージが重要です。
以下の動画で胸の筋肉の動きが分かります。
とても分かりやすい動画なので、ぜひ一度見ておいてください。
[引用:MUSCLE & MOTION(無料登録で様々な動画が見れます)]
チェストプレスマシンのやり方・注意点
チェストプレスの注意点を紹介します。
①椅子の高さを調整
[引用:MUSCLE & MOTION(無料登録で様々な動画が見れます)]
椅子の位置が低くて、手が乳首より上になると(上図左)、手で押してしまい、胸でなく手ばかりが疲れます。
椅子の高さを調整して、開始時に手が乳首の高さになるようにします(上図右)。
②手の位置の調整
マシンによりますが、開始時の手の位置は胸に最も近くなる状態にします。
椅子を動かすタイプであれば、最も前に出します。
手が動くタイプであれば、椅子に最も近づける位置にセットします。
こうすることで、胸の筋肉がストレッチされて動く領域が広がり、しっかりと鍛えられます。
(さきほどの解剖図の起始と停止が遠くなって、胸の筋肉が動く領域が広くなる)
③リズムと呼吸
い~ち、で大胸筋を収縮させてウェイトを上げ、
い~ち、に~、でゆっくり戻します。
呼吸は収縮させてウェイトを上げるときに吐き、戻すときに吸います。
④肘と背中
ウェイトを上げたときに、肘を伸ばしきらないでください。
肘を伸ばしきると、肘がロックされ、ウェイトの重さを肘で支えてしまうので、肘を痛めやすいです。
また胸の筋肉から負荷が逃げてしまいます。
1セットの間、ずっと胸の筋肉に負荷がかかっている状態が理想です。
そうすることで、胸の筋肉に力が入った状態が保たれ、血流が制限され、筋肉が過酷な状態でトレーニングされます。
その結果、筋肉中の疲労物質などが集中しやすくなり、筋肉中の化学センサーが大きく反応して、筋トレ後の筋肉合成が盛んになります。
戻すときも、ウェイトが下につくまで戻さないでください。
ウェイトが下につくと負荷が胸から逃げて休んでしまうので、筋トレ効果が半減してしまいます。
また、椅子から背中を離さないようにしてください。
厳密には背中ではなく、肩甲骨の内側の付け根部分を椅子から離さないでください。
椅子から背中を離すと、身体と肩が前に出てしまいます。
すると胸ではなく、結局身体と腕でウェイトを押していることになり、意味がありません。
⑤ウェイトを重くしすぎない
ウェイトを重くしすぎないでください。
重すぎると、腕で押してしまい、ダメなフォームが身についてしまいます。
15回くらいできる程度の重さ(15RM)で、10回を1セットとし、間は1分休憩で3セットで良いです。
胸の筋肉をうまく使えるようになったら、少しずつ負荷を上げましょう。
チェストプレスのコツ
最後にチェストプレスのコツを紹介します。
それは「肩甲骨を寄せ+下げた状態」で座ることです。
筋トレではよく、「肩甲骨を寄せる」という表現が出てきます。
初心者には分かりづらいのですが、肩甲骨を寄せることで肩が後ろに下がり、大胸筋の停止が後ろに下がるため、動く領域が広がります。
上の画像のイメージです。
この説明が、次の動画の1:25~にありますので、ぜひ一度見てください。
肩甲骨を寄せて下げて座ると、少し腰と椅子の間に空間が出来ます。
この状態で胸の筋肉だけを動かすイメージでウェイトを上げるのがコツです。
以上、チェストプレスのやり方、注意点、コツを紹介しました。
大胸筋を鍛えると見た目の印象が大きく変わります。
すぐにこんな身体にはなりませんが、いつかこんなの身体を夢みて、一歩ずつゆっくり取り組みましょう。
本記事の内容を注意しながらやることで、効率的に胸を鍛えることができます。
次のページでは、背中の筋トレ「ラットプルダウンマシン」の説明を行います。